その育毛剤、効かないよ?

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ミノキシジル発毛剤はチャップアップやスカルプDを根絶できるか?

先行していたリアップの特許が切れて、2018年に入りミノキシジル発毛剤が続々と発売されています。

・1999年 リアップ
・2018年 メディカルミノキ5、リグロEX5、ミノゲイン、ミノアップ

この空前絶後のミノキシジルブームは、日本人の薄毛人口を増やしまくった悪名高き「チャップアップ」や「スカルプD」などの発毛効果の無い育毛剤や育毛シャンプーを薄毛市場から追い出すことができるでしょうか?

日本人にとって不幸だったスカルプDとブブカの登場

日本の薄毛治療黒歴史育毛シャンプーのスカルプDと、育毛剤のブブカの登場で日本の薄毛治療環境は大きく後退

1999年に日本初の薄毛治療医薬品としてリアップが発売され、6年後の2005年には病院で処方されるタイプの医薬品プロペシア(有効成分フィナステリド)が認可されました。

いよいよ日本もアメリカなどから10年レベルで遅れて「科学的根拠のある薄毛治療法」が浸透し、根拠のない育毛サロンや育毛シャンプー、育毛剤は売上低下で消えていく。そう思われていたのもつかのま、スカルプDとブブカが登場してしまいます。

スカルプDのテレビCMはありえない

スカルプDはアンファーが出している育毛シャンプー。雨上がり決死隊の宮迫さんら吉本芸人を大々的に使ったプロモーションCMで知名度を一気に浸透させました。


きわめて悪質だったのが、その広告手法。スカルプDを使っただけで、髪の毛が生えたと見せかけたあのテレビCMはよく規制されなかったなと感心します。実際はスカルプDだけじゃなく医薬品であるプロペシアを服用していたから髪の毛が生えたのに、それを隠してさも「スカルプDでこんなに生えた!」とCMを大々的に流したおかげで、多くの日本人薄毛男性が騙されてしまいました。

ブブカとチャップアップ

もう1つ日本人男性にとって悲劇だったのが、ブブカ(BUBUKA)です。天真堂という商売上手のやり手の化粧品メーカーが、医薬部外品の製造認可を受けるまでには時間がかかることに目をつけて、大量のOEM育毛剤を発売しました。OEMというのは、製造者と販売者が異なる育毛剤のことです。

・天真堂 → 育毛剤を医薬部外品として認可取得
・育毛剤販売会社 → 天真堂と育毛剤販売契約を結び、パッケージだけ自社ブランドで売り出す

この方法で天真堂が販売する育毛剤が市場を席巻しました。まず天真堂はソブールという名前で自社販売し、それなりに売れた実績を引っさげてOEM契約企業を募集します。

それに参画したのが現在ブブカやチャップアップを販売している企業です。ブブカとチャップアップって別の育毛剤っぽく売られていますけど、なんと当時は中身が全く一緒だったんですよ。それもそのはず、中身は天真堂が医薬部外品認可を習得したソブールっていう育毛剤なんですから。

日本の薄毛治療黒歴史天真堂という化粧品会社が作った「ソブール」という育毛剤の、商品名だけを変えてチャップアップとブブカが作られた

それをパッケージと商品名だけ変えて、ブブカ発売元とチャップアップ発売元がそれぞれ別に売っていたんです。
ふざけた話じゃないですか?

現在はブブカもチャップアップも馬鹿売れしまくったので、それぞれオリジナルの成分を配合して別ものになっていますけど、発売当初は全く同じ中身だったんです。

アンファーと天真堂によって日本の薄毛治療は10年遅れた

アンファーのスカルプDの罪

予防医学などと掲げて薄毛界隈に絶大な影響力を持つようになったアンファーですが、正直この企業のせいで日本の薄毛治療は10年遅れたと言っても過言じゃないです。

フィナステリドとミノキシジルという2つの発毛医薬品を使えば、ある程度は薄毛が改善することは世界の常識でした。しかしアンファーがスカルプDなんて代物をさも「発毛効果がある」かのようなテレビCMを流しまくって売ったせいで、本来医薬品に使われるはずの薄毛男性のお金が、スカルプDなんていう何の役にも立たない育毛シャンプーに流れてしまいました。

日本の薄毛治療黒歴史効果のない育毛シャンプーなんてものを売っておきながら「予防医学」を標榜するアンファーは悪質

天真堂の戦略を真似する化粧品メーカーすら現れる

天真堂の悪影響も大きいです。企業としての商才は素晴らしいものがあります。社長さんのインタビューをいくつも読みましたが、医薬部外品のOEM戦略に目をつけたのは、商売人としては秀逸だったでしょう。そこは拍手を送りたい。

しかしブブカもチャップアップも発毛効果は一切ありません。それなのにネットアフィリエイト広告との親和性の高さから、多くのブロガーが発毛するかのような「嘘」「デタラメ」を書きまくり、ブブカもチャップアップもバカ売れです。今では天真堂の戦略を真似するミリオナ化粧品(プランテルとMSTT1など製造)など別の化粧品メーカーも登場して、収集がつかなくなっています。

日本の薄毛治療黒歴史ブブカ、チャップアップなどの成功を受けて、天真堂の真似をする化粧品会社が続々と登場

企業ですから利益を出さなければいけないのはわかります。でも、そこに良心はないのかと。いくらなんでも全然発毛効果がない育毛剤を1ヶ月分8000円近くで売るのは、薄毛男性の財布と毛根と心を踏みにじりすぎです。

ミノキシジル発毛剤よ、育毛剤と育毛シャンプーを駆逐しろ!

もちろんミノキシジルは万能ではありません。生え際には弱いし。でも育毛剤や育毛シャンプーのように、全く発毛効果がないものに比べたら雲泥の差です。

2018年に突如として訪れたミノキシジルブームによって、どうか世の中から科学的な根拠が一切ない育毛剤や育毛シャンプーが駆逐されることを祈っています。

なおミノキシジルブームのきっかけが、スカルプDを出していたアンファーのメディカルミノキ5ってところが皮肉なんですが…。