アンファーの「ミノキシジル振動圧刺激」はスルー推奨!
最初に結論:
振動圧刺激の効果は怪しいのが実情
まだ実際の人間に対して発毛させたというデータは無いので飛びつくのは危険
ましてや手による頭皮マッサージなんて失笑もの
日本医科大学が研究を進めていた「振動圧刺激」による発毛法について、先日アンファー(スカルプDやメディカルミノキ5の発売元)やヘアメディカルグループとの共同記者会見が行われました。
ネット系メディアは全体的に振動圧刺激に対して好印象な論調で伝えていますが、当ブログは遠慮しません。
「発毛する」なんて口が避けても言えないレベルの研究段階。
今後どうなるかはわかりませんが、現時点で飛びつくのは危険です。
ましてや「物理的な刺激で髪が生えるから、頭皮マッサージしよう」なんてくだらない事を言い出した川島式ヘアメディカルマッサージなるものは、華麗にスルーしましょう。
手で頭皮マッサージして髪の毛が生えるなら苦労はしません。
- 振動圧刺激とは何なのか?
- 振動圧刺激によって発毛因子の一種であるVEGFが増える?
- ミノキシジルも同じくVEGFを増やすから発毛する
- 研究結果にケチをつけるつもりはないが、まだ人間での発毛実績は無いでしょ?
- 川島式頭皮マッサージはもっと話にならない
- 振動圧刺激はまだ様子見が無難
振動圧刺激とは何なのか?
日本医科大学が研究している振動圧刺激(しんどうあつしげき)とは、簡単に言えば小さな物理的刺激を高速に生物に与えるってことです。
ごくごく微量の物理的刺激を高速でぐぉーーー!って与えてるようなものなんですよ。
1つ1つの刺激はめちゃくちゃ小さいけれど、それを1秒間に何十回〜何百回と当てることで、細胞に何らかの変化を期待するってこと。
振動圧刺激によって発毛因子の一種であるVEGFが増える?
で、この振動圧刺激と発毛に何の関係があるのかといえば、発毛因子が関係しています。
振動圧刺激をマウスに与えまくるとカリウムイオンチャネルとやらが活性化します。
カリウムイオンチャネルは発毛因子の一種であると考えられているVEGFを増やす働きをすることがわかっているので、以下の図式が成り立つことになります。
振動圧刺激→カリウムイオンチャネル活性化→VEGFが増える→発毛
実際に振動圧刺激を与えたマウスの実験で、カリウムイオンチャネルが通常時の1.3倍活性化したことが日本医科大学の研究で判明したそうです。
これ自体は事実なのでしょう。
で、実際に人間の頭髪が生えたのか?という肝心な点ですが・・・
ノー。
まだそこまでの段階には至っていません。
ガッカリすぎる。
ミノキシジルも同じくVEGFを増やすから発毛する
アンファーとの共同発表ではミノキシジルと絡めた点が強調されていました。
ここに私はうさんくささを感じるんですよねえ。
実は日本医科大学は2017年までは振動圧刺激単体の研究をしていたそうです。
で、突然2017年からミノキシジルを絡めた研究に切り替えて、今回のアンファーとの共同発表へと展開しています。
「2017年、ミノキシジル、アンファー」
この3つのキーワードから連想されるものと言えば、もう発毛業界に詳しい人ならおわかりですね。
そう、アンファーの新製品「メディカルミノキ5」。
本来は2017年に発売予定でしたが、添付文章に不備があって2018年8月に発売が延期された、あの発毛剤です。
メディカルミノキ5の有効成分は、もちろんミノキシジルです。
この日本医科大の研究って、出来レースというか、最初からそういうシナリオで研究が進んでたんじゃないかって感じるんですよ。
1.もともと日本医科大学が振動圧刺激の研究をしていた
2.そこにアンファーが「うちからミノキシジル発毛剤が出るから、振動圧刺激と絡めてよ」と持ちかける
3.日本医科大学がミノキシジルを絡めた研究に切り替える
4.アンファーのメディカルミノキ5が発売になったタイミングで、日本医科大学が振動圧刺激の研究を発表 ← 今ここ
こういう裏側があったんじゃないかって、私は推測しています。
研究結果にケチをつけるつもりはないが、まだ人間での発毛実績は無いでしょ?
日本医科大学の研究自体にケチをつけるわけじゃないです。
でも、まだ人間の実際の頭皮で実験してるわけじゃないですよね?
発毛実績があるわけじゃないですよね?
カリウムイオンチャネルやVEGFの増加が確認できたからといって、それが人間の頭皮でも本当に起きるのかどうかは、まだ確定していない。
それなのに、もうアンファーとパナソニックが共同で家庭用の低周波刺激マッサージ機器を作って売ります宣言は、さすがに意味がわかりません。
「今こういう研究をしていて、理論上は発毛する可能性がありますよ〜」っていうレベルの段階ですよね。
そんな研究は世の中に腐るほど存在します。
理屈上は生えます!なんて研究は、世界中で毎年10個程度は発表されるんですよ。
でもその大半が人間の頭皮では実現せず、髪の毛は生えないという結果に終わり消えていくという繰り返し。
この振動圧刺激ってのも同じ末路をたどる可能性があるんですよ。
だから現時点でアンファーとパナソニックが低周波刺激マッサージを開発して売る気満々なんて、ちょっとありえないと思うわけ。
研究結果を受けて低周波刺激マッサージを作ってるんじゃなくて、頭皮マッサージ機器を売りたいから研究結果を発表してませんかね?
それ、順序が逆じゃない?
研究した結果を元に、何らかの治療機器を開発するのが筋でしょう。
でもアンファーのやってることって「治療機器を売りたいから、それをサポートする研究をどこかの大学から発表してもらう」って感じに見えるんですよね。
2015年に発売されたこの「頭皮エステ」の二番煎じを狙ってるんでしょうか。
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川島式頭皮マッサージはもっと話にならない
で、空いた口が塞がらないのは「川島式頭皮マッサージ」ですよ。
ヘアメディカルグループの川島さんが考案したとかいう頭皮マッサージ。
振動圧刺激みたいに物理的な刺激を与えれば髪の毛が生える!という理屈で、頭皮を手でマッサージするという話みたいなんですが・・・
古すぎ。昭和に逆戻りかよ。
あのね、日本医科大学の振動圧刺激ってのは、指圧マッサージなんかとは全然違う物理現象を利用してるわけでしょ。
非接触式の超音波を皮膚にあてることで、微細な物理的な刺激を起こすってものですよ。
指のマッサージとは同じ「物理的振動」とは言っても、全然別物じゃないですか。
わけがわからない。
なぜ日本医科大学の研究発表にこじつけて、そんなくだらない古典的な頭皮マッサージを持ち出してくるのか。
平成も終わりに差し掛かりつつあるっていうのに、昭和に逆戻りですよヘアメディカルさん。
ってことで、このヘアメディカルの川島式ヘアメディカルマッサージってのは全く効果無いから皆さんやめてくださいね。
髪の毛が引っ張られたり、一部の皮膚だけが強く圧せられることによる副作用の方が強く出ると想いますよ。
振動圧刺激はまだ様子見が無難
振動圧刺激で髪の毛が生える!ってのはよくある「僕、こんな発毛法を考えました」っていうレベルの話に過ぎません。
実際に人間の体を使って臨床実験をして、客観的に髪の毛が生えるというデータが出て、初めて信じるに足る発毛法となります。
だから皆さん、まだ真に受けるべきじゃないし、2021年に発売が予定されているアンファーとパナソニックの「家庭用低周波振動圧刺激デバイス」にも期待するのはやめましょう。
結論:
振動圧刺激はまだ様子見が無難。アンファーのマーケティング臭が強い
ましてや頭皮マッサージなんてありえない
川島式ヘアメディカルマッサージなんてやめとこう