その育毛剤、効かないよ?

育毛剤の嘘・AGA・自毛植毛・毛髪再生医療・薄毛について

自毛植毛完全マニュアル2017年版

この記事では現在薄毛治療に対して最も確実性が高く、そのぶん費用も高いと言われている自毛植毛(自毛移植)について解説します。

2005年に登場したプロペシアの陰に隠れて薄毛治療としては地味な存在として扱われてきましたが、自毛植毛はここ10年で劇的な進化を遂げきた薄毛治療手法です。

以前のまで主流だったフラップ法などに比べると、抜群の効果を発揮するFUT法やFUE法が日本でも主流となってきました。
また、年々自毛植毛費用も下がってきて、施術を受けやすくなってきました(それでもまだまだお高いですが…)。

自毛植毛は費用が高い分、気軽に受ける事ができない治療です。
よく自毛植毛のことを調べてから自分に合っているかどうかを考えていただけるように、2017年の最新事情も踏まえてわかりやすく解説していきたいと思います。

自毛植毛とは

自毛植毛(自毛移植)を一言で説明するならば、「側頭部や後頭部に残っている健全な毛根ごと採取し、薄くなった部分に移植する」というものです。

かなり薄毛が進行してしまった人でも側頭部や後頭部にはかなり毛髪が残っているケースが多いですよね。
なぜそういう事が起きるかと言うと、側頭部や後頭部や男性ホルモンの一種であるDHTの影響を受けにくいために、脱毛しにくいのです。
逆に前頭部(生え際)や頭頂部(つむじ)はDHTの影響をモロに受けてしまうために、AGAを発症するとすぐに薄毛になってしまうのです。

側頭部や後頭部の髪の毛が残っている部分を毛根ごと採取し、生え際に移植(植える)してしまえば、そこからまた髪の毛が生えてくるわけです。
これが自毛植毛の簡単な説明です。

自毛移植のメリットは確実に薄毛を治せること

自毛植毛の最大のメリットはその確実性です。

プロペシアやミノキシジルなどは安価に治療できるために大ブームとなりましたが、残念ながら全ての人に効果があるわけではありませんでした。
またかなり薄毛が進行してしまってからプロペシアを服用しても、現状維持止まり(それでも凄いことですが)になってしまう人も多かったです。
安価で手軽なぶん、かなりAGAが進んでしまった人には劇的な改善が見込めない治療法と言えるでしょう。

それに対して自毛植毛は、側頭部や後頭部に大量の髪の毛が残っていれば(ちなみにこれをドナーと呼びます)、かなり薄毛が進行した人でも劇的に生え際を前進させたり頭頂部の密度を濃くすることが可能なのです!

これこそが自毛移植の最大のメリットでしょう。

手術の失敗等が無ければ、プロペシアなどのように改善するかどうか運任せといった事がありません。
最新の移植手法であるFUT法などでは髪の毛が定着率が95%にも及びますから、後頭部から1000本を頭頂部に移植すればほぼ全てが定着し、頭頂部の髪の毛の密度は劇的に改善されます。素晴らしい治療方法です。

ちなみに毛根を皮膚ごと採取すると聞くとめちゃくちゃ痛そうな気もしますが、麻酔を使うので痛みはほとんど感じません。

治療をやめても効果が継続

自毛移植にはもう一つ大きなメリットがあります。
一度手術してしまえば効果がずっと続くのです。

プロペシアやミノキシジル、あるいは成長因子治療などは、治療をやめたら効果が無くなり、薄毛がまた進行してしまうというデメリットがあります。
いったん治療をしはじめたら現状維持するためにずっと治療を継続しなければならないのです。
一ヶ月7000円かかる治療を選択したら、10年で80万円以上かかってしまいます。

しかし自毛植毛はいったん移植してしまえば、その後メンテナンスをしなくても効果は継続します。

さらに言えば、移植前より移植後の方が脱毛に対して強くなれる可能性すらあるのです。
なぜならば、移植に使う側頭部や後頭部のドナー(毛根)は先述したようにAGAを発症させる男性ホルモンの一種であるDHTに対して非常に強い毛根なのです。
だから薄毛が進行してもまだ力強く髪の毛を生やしてくれます。
その毛根を前頭部や頭頂部などに移植したらどうなるでしょうか?元々生えていた毛根よりもDHTに対して強い毛根になれるのです!

このメリットも非常に大きいです。移植後は移植前よりもAGAに強くなれるのです。

自毛植毛のデメリット

もちろん自毛植毛にもデメリットはあります。ここからは自毛植毛のデメリットについて解説していきます。

最大のデメリット「費用」

まずはやっぱりこちら。費用です。お高いです。なかなか手を出しづらいです。

プロペシアが毎月数千円で済むところ、自毛植毛は最低でも数十万円はかかってしまいます。
高額な費用を捻出できるかどうかが、自毛移植の最大のハードルと言えるでしょう。

薄毛の進行具合にもよるのですが、だいたい100万円ちょっとはかかってしまいますね。20代の若い人には捻出するのがほとんど不可能に近い金額です。
植毛ローンに頼らないと厳しいでしょう。

aga-aga.hatenablog.jp

傷、無毛部分ができてしまう

また、自毛植毛の施術方法によってはドナー(後頭部・側頭部の毛根)を採取する際に無毛部分(二度と毛が生えてこない部分)や傷が残ってしまいます。

特に無毛部分の問題は避けて通れません。
前頭部や頭頂部に移植するためには側頭部や後頭部から何千本という毛根を皮膚ごと採取しなくてはならないのわけですから、その部分からはもう毛が生えてこなくなるのは当然です。

もちろん自毛植毛施術時に無毛部分や傷のことを考慮しながらドナーは採取します。
毛が生えなくなる部分が目立たないように工夫して採取してくれるんですね。

基本的には両耳を後頭部側よりぐるっと囲んだ部分を使う事が多いです。
そこならばその部分より上の髪の毛が覆い被さることにより、無毛部分があまり目立たなくなるからです。

でも短髪の人だと無毛部分を隠せるだけの髪の長さが確保できません。
そのため自毛植毛を受けた人は少し長めのスタイルに変更する必要があります。



FUE法は傷や無毛部分が目立ちにくい

後で詳しく解説しますが、施術方法によって無毛部分の大きさは異なります。
現在主流となっているFUT法では、かなり大きめの無毛部分(例えば縦2cm、横15cm)ができてしまいます。
新しいFUE法と呼ばれる方法だとパンチの穴のような無毛部分が多数できるようなイメージです。

どちらがより目立ちにくいかはヘアスタイルによりけりなので一概には言えませんが、FUE法の方が目立ちにくい傾向にあります。
ただしFUT法では無毛部分を小さくするような事も可能です。

ヘアサイクルの関係で、手術後半年ぐらいしてから生えてくる

一つの毛根から生えている髪の毛というのは常にずっと生え続けているわけではありません。
成長期→脱毛期→成長期→脱毛期というサイクルを繰り返しているようなイメージです。
他の毛根が脱毛期で休んでいる間は他の毛根が成長期で頑張って生えているわけです。

自毛植毛の手術後の初期に問題となるのは、この髪の毛の生え変わりのサイクルです。
基本的に移植した毛根は、移植直後は脱毛期になると考えて下さい。
つまり、移植してもしばらくは生えてこない可能性が高いのです。

3ヶ月程度で生えてくる事もありますが、だいたいは半年ぐらいから細くて弱々しい毛が生えだします。
その後時間をかけて太くて黒々しい髪の毛に成長します。
だいたい1年ぐらいかかるケースが多いですね。

移植してすぐに前頭部・頭頂部がふさふさの状態になるわけではないんですね…。

これはデメリットでもありますが、ポジティブに捉えるならばメリットにもなり得ます。

もし自毛植毛したことを他人に知られたく無い場合、いきなり後頭部の髪の毛が前頭部に定着してフサフサになっちゃうとバレバレですね。
「カツラじゃないのか?」と職場で噂がたつかもしれません。
半年から1年をかけて徐々にフサフサになった方がある意味いいのかもしれません。

成長期と脱毛期の髪の毛がバランス悪くなる

またもう一つヘアサイクルの件でデメリットを。
毛根を移植する時にその毛根から毛髪が生えているということは、ヘアサイクルにおいては成長期ということになります。
そして移植した毛根のサイクルが全て成長期の可能性が高いです。
これが後々で問題となってしまいます。

通常、一つ一つの毛根のヘアサイクルは微妙に異なるために、成長期の毛根が頑張って髪の毛を生やしている間は脱毛期の毛根は休んでいても全体の毛髪料に不自然さはありません。
しかし、全ての毛根のサイクルが同じだったらどうなるでしょうか?
みんな一斉に脱毛期がきて悲惨なことになってしまいます。

これが自毛植毛の時に起こりうる可能性があるのです。
移植するドナーが全部成長期の毛根だったら、一斉に脱毛期に入ってしまいます。悲劇ですね。

移植方法によってこのリスクは異なります。
一定面積の皮膚をごっそり採取するFUT法であれば成長期と脱毛期の毛根ごとドナーにするのであまり問題になりませんが、狭い範囲をパンチ穴を空けるような感じでドナー採取するFUE法では気を使う必要がありそうです。

この辺りはちゃんとした植毛クリニックでは考慮してくれるでしょう。
しかし安価で施術例も少ないクリニックの場合、とりあえず移植しちゃえばその後どうなろうが知らないというスタンスで適当にやられてしまうかもしれません。

下手なドクターだと生え際が不自然になる

下手なドクターは、仕上がりに気を使わずに適当に生え際に「一直線」に植毛をしてしまいます。
そのため、妙に不自然に直線的な生え際になってしまうんですね。

自毛移植は、ただ毛根ごと移植する機械的な作業ではありません。
特に生え際は職人的なテクニックが必要とされるため、ドクターによって仕上がりに差が出てしまうのデメリットと言えるでしょう。

FU(Follicular Unit・フォリキュラーユニット)とグラフト(株)とは?

最新の自毛植毛技術を知る上で最低限把握していただきたいのがFUとグラフトです。
実際に移植を受ける時のクリニック選びの際に、FUやグラフトの知識が無いと費用などの比較がしづらくなります。
頑張って覚えておきましょう。

FUとは?

人間の頭皮を拡大すると毛穴が見えてきますが、一つの毛穴から一本の毛が生えているわけではなく、一般的には数本の毛が生えています。この毛穴のことを自毛植毛の時にはFUと呼びます。

グラフトとは?

自毛植毛する際に植え付ける移植片の一つ一つのことをグラフト(株)と呼びます。
FUの集まりがグラフトと覚えておいてください。


2017年現在、最も一般的な自毛植毛クリニックでは一つのグラフトに一つのFUというのが主流です。
以前は一つのグラフトに2~3個のFUを含んだMFU(ミニグラフト)と呼ばわれるものを使ってしました。
取り扱いがFUよりも楽であったり施術時間が短くなり、結果的に植毛費用を押さえる事ができるために以前は主流でした。

しかし移植した際の不自然さが際立ち、特に生え際の不自然さから植毛したことがバレやすくなるデメリットが目立ちます。
また、定着率が低くなりやすく、さらに頭皮の傷が大きくなるという様々なデメリットから徐々にMFUは嫌われるようになり、現在は一つのFUで一つのグラフトにする方法が主流となっています。

ここは植毛クリニック比較する際に大事です。
誰だって費用を抑えたいと考えますので、植毛費用の安いクリニックを優先してピックアップするかもしれませんが、そのクリニックはもしかしたらMFUなどの前時代的な植毛方法を使っているから費用が安いのかもしれません。
前時代的な植毛方法で手術しているクリニックはその旨を知られたく無いのか、あまりwebサイトに詳しい施術方法を出さない傾向にもあります。

もし自毛移植の手法で疑問点があれば、カウンセリングの際にしっかりと担当者に聞いてみましょう。
MFUなどの手法を使っている植毛クリニックには要注意です。

現在の二大植毛技術「FUT」と「FUE」の比較

さあ、いよいよ2017年現在主流となっている植毛技術について詳しく解説してきます。FUT法とFUE法、とても名前が似ているこの2つが現在の一般的な自毛植毛技術です。

この2つは最後の1文字だけが違い、最初の2文字のFUは共通していますね。FUとは先ほど解説したFollicular Unit・フォリキュラーユニットのことです。

FUTとFUEの決定的な違いはこのFUを頭皮より採取する際の方法です。あまり専門用号を使っても患者さんに伝わりにくいので、FUTは「切る植毛」、FUEは「切らない植毛」とクリニックが説明する事もあるように、この両者は採取方法にメスを使うかどうかで区別することができます。

1995年に開発されたFUT法は、例えば縦3cm、横15cmのようにかなり大きめの面積で頭皮ごと切り取ってFUを採取します。メスで切るイメージですね。

それに対して2001年に開発されたFUE法はパンチと呼ばれる器具を使って部分部分の毛穴を採取するイメージです。パンチ穴を頭に空けていく、と言うとちょっと怖いですがそんな感じです。

FUE法では湘南美容クリニックが国内では最も知られた存在です。


それぞれメリットとデメリットがあるので下の記事で詳しく説明しています。

aga-aga.hatenablog.jp
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毛髪再生医療が実用化されても自毛植毛のアドバンテージは消えない

毛髪再生医療が国内でも研究が進んでおり、2020年ごろには実用化されると言われています。毛髪再生医療が完全に実用化されてしまえば、自毛植毛よりも効果が高くなるかもしれません。

しかし毛髪再生医療が自毛植毛レベルの治療費用になるのは2025年〜2030年頃になってしまいます。2020年の実用化当初はなんと5000グラフトで2千万円という、桁を1つ間違っているのではないかと思ってしまうぐらいの高額費用になりそうです。

aga-aga.hatenablog.jp


また、毛髪再生医療は定着率がどうなるのか現在のところは未知数です。自毛植毛のように90%を超えるまでには相当な時間がかかるでしょう。

夢の薄毛治療として語られる事の多い毛髪再生医療ではありますが、長い歴史を積み重ねて改良されてきた自毛植毛のFUTやFUEと比べれば、まだまだ安定性や価格面では厳しいものがあるのです。^

しばらくは自毛植毛が最も効果の高い治療法として君臨し続けるでしょう。

自毛植毛まとめ

「自毛植毛完全マニュアル2017年版」いかがでしたでしょうか。

自毛植毛は非常にコストがかかるぶん、治療効果はプロペシア等を寄せ付けないほどに圧倒的です。将来的に毛髪再生医療が実用化されても、しばらくは自毛植毛が第一選択肢となるでしょう。そのぐらい技術的に安定しています。もう少し価格が下がれば言うことは無いのですが。

現在の主流はFUT法とFUE法の二種類で、より先進的なのはFUE法です。FUE法は、まだまだ日本で手術できる病院が少ないのが現状です。

もしお住いの近くにFUE法をやっている自毛植毛クリニックがあれば、ぜひカウンセリングだけでも受けて費用を見積もってもらってはいかがでしょうか?湘南美容クリニックなどでは比較的安価な料金でFUE法を行ってくれます。