ヘアドネーション詐欺
最初に結論:
髪の毛を失った子供への善意を利用するヘアドネーション詐欺が横行しています。
寄付するなら正規の有名NPOに!
- ヘアドネーションって?
- ヘアドネーション詐欺は病気の子供用ではなくファッション用ウィッグに使う
- 訴訟しても逃げられる可能性が高い
- 一度ヘアドネーションするとしつこく連絡してくる可能性があり
- ヘアドネーションはしっかりとした団体に寄付しよう!
ここ数年日本で急激に盛り上がっている「ヘアドネーション」。
病気で髪の毛を失った子供向けのウィッグを作るために、目安として31cm以上の長い髪の毛を寄付する行為です。
このヘアドネーションへの関心の高まりを悪用して、ヘアドネーション詐欺なるものが登場していますので注意喚起を。
ヘアドネーションって?
人間の毛を使ったウィッグはめちゃくちゃ高いです。
なんたって原料の毛が簡単には手に入らないですからね。
女の子用のフルオーダーのウィッグだと子供用でも40万円程度はしてしまいます。
病気の治療費に加えてウィッグ代金ともなると、そうそう簡単には出せない金額ですよね。
そこでNPOなどが中心となり、長い髪の毛を寄付してもらい、それを材料に子供用のウィッグを作りプレゼントしているのです。
これがヘアドネーションという素晴らしい社会運動です。
しかしこのような善意を悪用して、小遣い稼ぎをしている業者が残念ながら存在します。
それがヘアドネーション詐欺です。
ヘアドネーション詐欺は病気の子供用ではなくファッション用ウィッグに使う
ヘアドネーション詐欺はちゃんとしたNPO団体と同じように、病気の子供向けのウィッグを作ると宣伝して髪の毛を集めます。
しかし集めた髪の毛は医療用ウィッグではなく、以下のような用途に流用されます。
- ファッション用ウィッグ(エクステ)
- 人形の髪の毛
これらを製造している業者に転売することで利益を得ているわけです。
寄付してもらった髪の毛をそのまま転売するわけですから、結構ボロい商売です。
参入する上で特に資金や技術は必要ありませんから、リスクはほとんどありません。
訴訟しても逃げられる可能性が高い
また法的にもグレーですらなく、ほぼ「白」です。
ヘアドネーションNPOは「詐欺で訴える」と言っていますが、実際は難しいでしょうね。
「寄付してもらった時は医療用ウィッグとして使うつもりだったが、品質の関係でエクステや人形用に使った」と言い逃れされるのがオチです。
実際正規のヘアドネーションNPOでも、31cm以下の短い髪の毛はフルウィッグとしては使えないため、業者に転売しています。
その転売費をNPOの運営資金として使うことで、しっかりとした長い髪の毛を集めるための運営ができるという側面があるのです。
この正規NPOのやり方と同じことをしている!とヘアドネーション詐欺業者が主張すれば、法廷ではまあ認められちゃうでしょう。
少なくとも詐欺罪の構成要件を満たすのは難しいと考えられます。
一度ヘアドネーションするとしつこく連絡してくる可能性があり
この手の悪質業者は、一度つながったカモをとことん悪用しようとします。
数カ月後に髪の毛が生えてきたタイミングでまた連絡してきて「ヘアドネーションしてくれ」と頼んでくるわけです。
ヘアドネーションを断ると「病気で髪の毛を失った子供が待っいるのに、その気持ちを踏みにじるのか?」と問いつめられるようなケースも一部で確認されています。
ヘアドネーションはしっかりとした団体に寄付しよう!
このブログで頻繁に訴えている「育毛剤メーカーによる薄毛コンプレックス商法」にせよ、今回紹介したヘアドネーション詐欺にせよ、根底は似ています。
誰もがしっかりした髪の毛を生やしたいと願っています。
髪の毛って人間の尊厳に関わるものですから。
そういう人の気持ちにつけこみ、商売する業者が多すぎます。
ヘアドネーションをする場合は、Twitterなどでいきなりコンタクトを取ってきた怪しげな業者ではなく、正規のNPOに寄付しましょう!